初心者が自作PCの構成を考えるときに気を付けたいこと──推薦級

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パーツリスト


総計

電源 0W/推奨 0W 以上

推奨 0W 以上

¥0

私のメインPCの構成こちら。また、以前まとめた、思いつく順に書いた初心者向け記事のまとめはこちら

必須級推奨級に引き続き、今回は推薦級、つまり私が知っている中でも困ったときにこれを選んでおけば間違いがない、という類のパーツを少しだけ並べてみます。

自分が好きな構成を組むのならいざ知らず、他の方の構成に対して、できればこちらのほうがいいですよ、と意見すること自体が憚られることですが、尋ねられている内容によってはいくつかパーツをお勧めしたことはあります。

今回は過去に自分が勧めたパーツに加えて、今後勧めることになるかもしれないパーツを並べておきます。

したがいまして、この記事では自分が好ましいパーツというよりは、安定志向、あるいは保守的なパーツが並ぶことになると思われます。

魅せるパーツや小ささを追求するパーツなどは今回度外視しておりますので、そのようなパーツを見たい方は別の方の記事やYoutubeの紹介動画などを参照なされるとよいかと思います。

なお、こういうパーツは基本的に予算度外視なら、もちろん例外はありますが、高いパーツのほうがより高いパフォーマンスを発揮します。

この記事ではハイエンドとミドルレンジを中心に見ていこうと思います。というのも、購入予算が低くなればなるほど、用途が限定されていくので、一般的にこのパーツがいい、ということを言いにくいからです。

これはミドルレンジにも当てはまることですが、ミドルレンジであれば最低限汎用性を見た構成を考えることができるので、ある程度は多くの人におすすめのパーツを挙げることができると思います。

一応、改めて記しておきますが、この記事はあくまでも、これからこのサイトを使って自分のPC構成を考えてみようという初心者の方向けの記事です。

なので、ある程度自分で組まれた経験がおありの方にとっては恐らく、特にバリエーションという点で物足りない内容となってしまうことは予めご承知いただければと思います。

また、困難を避けては自作PCの面白さが半減する、若いころの苦労は買ってでもしろ、タイプの人は以下の話はあまり役に立たないかもしれないので悪しからず。

最後に、これはあくまでも推薦するだけの記事です。いちばんは、ご自身が好きなパーツだけで組まれることです。これは真理です。

とはいっても、すべてのパーツで自分の好みを持つことは難しいと思います。

この記事は好きなパーツ以外のもの、あまり興味を持てないものに関して、無難な選択肢を提供するものとしてお使いくださると有用かと思います。

 

❶CPU

わりと戦争になりやすいパーツでして、、あくまで私個人の判断という話になりますが、基本的にはインテル第12世代が出た今でも、初心者の方に対してはハイエンド、ミドルレンジともにRyzenのCPUをオススメしています

理由としては、やはり曲がりの問題に対するインテルの態度(=問題を存在しないものとする態度)は、特に初心者の自作erにとってはかなり横柄なものであり、また長期的に見ても故障の不安が常に付きまとうからです。私自身は良いものであればどちらの製品でもよいのですが、さすがにちょっとなーという事例でした。

問題点をまとめると、単純に温度管理が難しくなるということ、曲がり問題を解決するためには余計な労力と出費が必要でかつ保証がなくなるとインテルが公式に強弁していること、そして上記のように長期的に曲がりが故障につながりかねないこと、の三点が特に(私にとっては)気になります。

もちろんこうした問題に一つ一つ対処していくこと自体が面白いという方もいますし、私自身そのような面白さに惹かれる部分もあったりしますが、少なくとも初心者の方にとっては余計な労力だと思われかねず、また何が問題かを切り分けることのできる知識を持ち合わせていないのに各種問題が発生しかねないパーツを、私は無責任におすすめすることはできません。

ただ、ここで記事を書いて意見を求めれおられる方がインテルCPUを選んでいたとして、私がそのことを強く引き留めるのもまた違う話なので、あくまでまったく新規に考えてみたいという方で、どちらのCPUがいいかを本当に悩んでおられる方に限って、Ryzenをお勧めしているという次第です。

また、この曲がりの問題を抜きにしても、熱の問題から見てRyzenをオススメしている面もあります。熱問題も、考えすぎだと言われることを承知の上であえて書いていますが、熱問題が十分に故障の一因となりうることを踏まえれば、初心者の方に向けたアドバイスを考える場合には、より熱の出にくい=故障しにくいRyzenをオススメするのは道理だと思っています。

もっとも、熱問題に関しては特にi5 12600Kやi7 12700だとほとんど普通に処理するだけでよい感じなので、この辺は(曲がり問題抜きであれば)十分オススメできる、どころか、いまのところベストバイだと思っています。

もっともインテル第12世代にEコアが搭載され、単純にコア数が多いという現状を踏まえると、特に5600Xと12600Kでは求めるべき性能が少々異なるのだろうなと思います。

より細かく言えば、12600Kは性能としても熱処理の仕方としてもハイエンド入門編、5600Xは熱のことをほとんど考えなくてよく、どんなことをしてもしっかり動く自作初心者向け、といった印象です。

 

長々と書いてしまいましたが、上記を踏まえて、私個人として初心者の方にお勧めするCPUは、

①ハイエンド……5900X

②ミドルレンジ……5600X、12600K

となります。

12700Kとか12900Kとかを選びたい場合には、BTOをオススメします。というか、BTOであれば保証などの側面の問題点が大幅に解消されますので、BTOではインテル第12世代をお勧めします

ただ、これはあくまでも私個人のおすすめなので、これ以外のもので組もうとするのももちろん個人の自由ですし、最優先されるべきは個々人の好みなので、片目で見る程度の感じでさらっと流していただければ。

❷GPU

GPUは、汎用度で言えば基本的にAMDよりNVidiaの製品のほうが高いので、初心者の方には基本的にGeforce系をオススメします。

特に動画エンコードの絡む処理についてはGeforce系のほうが強いとのことなので、取り付けるだけでうまく動かせることを望むのであればRTX以降のGeforceがいいと思います。

ただ、CADやCAMに代表されるようなクリエイティブ系のソフトを使用する場合には、Geforce系ではなく、旧Quadro系のGPUを使用しないと、思う以上にソフト機能の制限がかかるようなので、その辺は用途に合わせての選択になります。

GPUは各社のグレードや製品毎の特長があるので一概にチップでこれがいいと言いにくいところはありますが……あくまでざーっとこれまでの評価を追う限り、Geforceの最新世代(RTX3000番台)では、

①ハイエンド……RTX3080(VRAM12GB)、3080ti

②ミドルレンジ……RTX3060ti

がオススメになりそうです。メーカーは正直どこでもいいです。どこが冷えないとかどのシリーズはだめだとか話がありますが、基本それほど差はないと思います。

RTX3080は発売当初はVRAMが10GBのものがデフォルトで、つい最近になって12GBバージョンが発売となりました。

発売当初は人をなめ腐ったような高額販売でしたが、現在では10GBからプラス1-2万円程度の範囲で収まってきており、またマイニングブーム終焉とともに下落したGPU価格と合わせて見た場合、ハイエンドとしてまあぎりぎり許せる価格になってきたかな、と思われたので、12GBバージョンをオススメにしました。

10GBと比べてもVRAM以外の部分で若干のスペックアップを実現しており、有意に性能差が見られるので、ハイエンド帯で1万円程度の価格差であれば、私としては12GBバージョンを選びます。

一方、ミドルレンジは3060tiのバランスが傑出しているので、ほぼこれ一択かなといった印象です。

3070については、正直価格次第といった感じです。3060tiでもWQHDゲーミングが十分に可能なのですが、3070ではその上の4Kゲーミングには少し性能が足りないので、3070を選ぶ理由は、より安定的にWQHDでのゲーミングをプレイしたい、といった限られた動機に縛られてしまうなぁという印象です。

マザーボード

これは初心者の方でも、組んだら今後ストレージ増設を含めてあまりいじることはない、という方と、組んで以降予算ができればストレージ増設やメモリ増設など細々と弄ってみたい、という方とで選択が分かれます

前者であれば、インテルであればB660(H670)、ライゼンであればB550のチップセットを搭載したマザーボードをお勧めします。

後者であれば、インテルはZ690、ライゼンはX570のチップセットを搭載したマザーボードをお勧めします。

後者のほうがハイエンドチップセットと呼ばれるもので、基本的にはこれを搭載したマザーボードのほうが、前者でお勧めしたbマザーボードより高額になります。

このようなお勧めの仕方となった理由は、前者のチップセットの場合、各種マザーボードへの接続に排他制限がかかっていて、しかも各メーカーのマザーボードによって排他設定の互換が異なり、かつその設定を購入前に調べるのがそこそこ面倒だからです。

排他制限とは、例えばM.2のSSDを二つ付けると、その代償としてPCIeの接続やSATAの接続の一部が使えなくなってしまうなどの制限のことです。

しかし、基本的にB660やB550であっても、M.2SSD一つとGPUなどを接続するPCIe4.0×16のスロット一つは必ず制限なしに使用できますので、何かのパーツの増設を考えたりしない限りは特に気にすることがない制限です。

ですので、組んだ後基本的に中身に手を加えることがないと思える方の場合には下位モデルのほうが安いですし、特にB550はX570より後発の製品となるものが多く冷却面での強化が大きいので、前者のチップセットを搭載したマザーボードを推薦しています。

逆に、将来的に色々なものを増設することを視野に入れた場合、下位モデルゆえの上記の排他設定が何かと面倒になり、結局上位モデルのマザーボードを購入することになるなど、大きく損をする場合があります

こうした排他設定をしっかり理解し、将来的に自分が増設するだろうものが購入時点で明確に見えているのであれば下位モデルでも十分ですが、自作初心者の方はまだ十分な知識をお持ちでないがゆえに、購入時には見えていなかった部分などが購入後にわかり、結果的にPCに対する要求が増えてマザーボードの拡張性に不足を感じるようになることが生じやすいと思います。

ですので、私としては、今後少しでもPCを弄る可能性があるのであれば、初心者の方には基本的に上位チップセットのマザーボードをお勧めしています

知識をお持ちである方だとよく、初心者の方がよくわからず上位チップセットのマザーボードを購入しようとしていた場合、下位のチップセットをお勧めされる場面をよく見ます。単純なコスト面ではその選択は間違ってないと思いますが、上記のような理由から、将来的に何か不足を感じてしまう場面がありそうだということもあり、私はあえて上位チップセットをお勧めしています。

人の欲望をなめてはいけない、ということでしょうかね……。

で、チップセットはいいとして、じゃあ具体的におすすめのマザーボードは、と言われると、これもまた難しいです。。

Ryzenの場合はハイエンドCPUでも冷却面だけ見れば、ミドルクラスのマザーボードで十分なんですよね。逆にインテルの場合には、その面を考えてあげないとハイエンド使う場合にはミドルだと厳しい場面がそこそこあります。

それ以外の用途別の使い勝手の面は、正直使ってみないとわからないところが多々あり、どれをお勧めとするかは拡張性含めて判断がとても難しいです。

ですので、私としては、メーカーとしてお勧めできるところを上げるに留めておきます

私個人としてのおすすめは、ASUSとMSIです。

前者はメーカーの出しているソフトが他社に比べれば圧倒的に使い勝手が良い(それでもバグがいくつかあるのがつらいところ)のと、基本的に値段とスペックのバランスに間違いがないという点でお勧めです。

後者は単純に価格に比してのパフォーマンスがとても高いという一点でお勧めです(但しMSICenterはインストールしてはいけない。RGB制御のためにインストールするのであれば、一度設定したら絶対に常駐させない)。特にミドルレンジを選択する場合にはMSI一択かなぁという個人的印象です。

あくまで相対的にですが、この二つのメーカーと比べた場合には、他メーカーのマザーボードは何かしらの点で選びづらい部分が出てくる感じです。世代が進めばもしかしたらもっとよくなるかもしれませんけど。

ただ、ギガバイトのZ690 UD AX DDR4なんかは久々にバランスいいの出してきたなぁという印象だったりします。アスロックのものは、個人的には設計思想的にそもそも受け付けないものが多いです、あくまで個人的には、ですが。

 

CPUクーラー

クーラーは基本的にCPU次第ではありますが、基本初心者の方には空冷をオススメしています

というのも、AIO水冷、つまり簡易水冷は、①製品寿命の相対的な短さ、②ケース据え付け時の面倒さ、③ケースとの相性の不明確さ、の三点で困難が伴うからです。

①は長期間使わないとわかりづらく、②と③は実際にケースに据え付けてみないとわからない、と、購入前には判断しづらい部分での困難さがあるのが簡易水冷の難しいところです。

空冷も特にハイエンドではケースの幅やメモリとの干渉によっていろいろ制限されてしまうことがありますが、ケース高はスペック値を見ればわかりますし、メモリ干渉もヒートシンクがデュアルのハイエンドでない限りほぼ考えなくてよいという点で、購入前からケースとの相性がだいたいわかる点が簡易水冷と異なるところです。

個人的には簡易水冷の場合、特に天面に据え付けようとする際にマザボ左上にあるCPU電源の配線部分との干渉が良くある印象です。

あとはポンプにつながってるホースの向きによってはエア噛みしてポンプがうるさくなったり、ポンプがなぜかうまく作動しなかったり、といった細かな部分での取り回しの悪さもあって、空冷に慣れてしまうと結構面倒ごとが多いという印象。

もちろん280mm以上の簡易水冷であれば、ハイエンド空冷よりも安定して低い温度での運用が可能なので、特に12700Kや12900Kの運用を考えている場合にはほぼ簡易水冷一択(本格水冷除く)となりますし、またRyzenでも5800X以上をOC運用しようと考えていらっしゃる方にとっては必須のものとなると思います。

ただ、初心者の方がご自身でPCを組まれようとしている場合、12700K以上のインテルCPUも、RyzenのOC運用も、基本的には中級者以上のものとなるため、あまりお勧めできません。

どうしても12700K、12900Kで組みたい、このCPUを使うことが自作の最大の動機だ、という感じでない限り、これらのCPUを選ぶ場合にはBTOでの購入を強くお勧めします。特にサイコムであれば冷却を売りとしているモデルがあるので、他のBTOメーカーより安心かと思います。

空冷でのオススメは、ほとんどの場合DeepCoolのAS500かAS500plusになってしまいます。

ケースの高さが引っかかってしまう場合にはサイズの虎徹か、DeepCoolのAK620、またつい先日発売となった同じくDeepCoolのAK400、ハイエンドならばノクチュアのNH-U12AかDeepCoolのASSASSINⅢ、と現状DeepCool一強みたいな状態です。

これ以上の製品が出てくる場合には、空冷の基本を大幅に変えるぐらいしかないでしょうね。

 

メモリ

これは前回の推奨級の記事でも書いてますが、よほどのことがない限り、初心者の方はDDR4、DDR5にかかわらず、基本的にネイティブメモリを使ったほうがいいと思います(がOCメモリ選ぶ人が相変わらず多い……)。

見た目などに強いこだわりがない限り、OCメモリは避けて選択してほしいです。

また、初心者の方は、なるべくなら2枚構成での購入をおすすめします。というのも、4枚運用だと、マザーボードによっては、メモリのランクによってクロックが下がってしまうことがあるからです。

(ランク、とは品質のグレードの話ではなく、メモリのバス幅とチップ側が一度に通すデータの関係性のことを指しますが、詳しくはググってください。)

下がったクロックを戻すにはBios上で特定の操作をおこなう必要がありますが、そうした面倒さを避ける場合には4枚構成ではなく2枚構成を基準に考えれば基本的には問題なく運用できます。

OCメモリについては、ほぼ確実にBios上での操作が必要です。そう難しい操作ではないですが、ポン付けで運用できない分面倒が増えます。この操作を知らずにOCメモリを付けた場合、多くのメモリは定格ですとそこそこ低い値に設定されているので、OCメモリを買ったのになぜかネイティブメモリよりもベンチマークが低い、などといった事態が起こりえます。

また、最悪相性問題でOCメモリで設定されているタイミングの値がBiosを通らず起動しない、などのトラブルも起こりえます。

まずはネイティブメモリを買ってきちんと動くことを確認してから、予算に余裕があったらOCメモリに手を出してみる、という順番が一番安全です。

というわけで、メモリに関する私個人としてのおすすめは、CFD販売かcrucialブランド(両方とも中身はcrucial製)に代表されるネイティブメモリ一択です。

 

ストレージ

ストレージのおすすめは、対費用効果的にはM.2SSDのGen3で1年以内に発表された製品です。

特に私が良くオススメしているのは、WesternDigital製のSN570かサムスン製の980です。ADATAのSX8200もスペック値は高いですが、NANDが通称おみくじと言われているように、個々の製品でバラバラのようで、ストレージとしての寿命が左右されてしまいますのでお勧めしません。

SN570と980は両方とも、Gen3のほぼ上限値のリードライトとなっていて、大容量のデータを連続して運用するというのでない限りはほとんどの場面で用が足りてしまいます。

体感で言うのならSATAの2.5インチSSDでも多くの面で変わらないのですが、配線が面倒なのと、今現在Gen3のSSDと価格がほぼ変わらないという二点から、お勧めすることはあまりありません。

それこそマザーボードで排他設定に引っかかってしまうような場面がある場合には十分選択肢に上がりますが、特にOS用にSATA接続のSSDを使用する利点はありません。熱に関してもほぼ変わりません。

Gen4のSSDも続々と登場し、Gen3のほぼ倍の速度でシーケンス読み込み書き込みができますが、体感的にはSATA対M.2以上に差がないです。大容量の動画を移動するなどの操作以外に何かよさを感じる部分はないかもしれません。

ただ、Gen4SSDの場合には、書き込み上限の値が高く設定されているものがあります。つまり耐久性が高くなっているのですが、それを当て込んで、例えばFirecuda530などを購入するという手はあると思います。

また、パソコン工房で定期的にPlextorのGen4SSDが定期的にかなり安く販売されており、特に2TBだと少し色を付ければGen3から十分に手の届く価格になっていることもあります(私が知る限り2TBで3万切るぐらいが最安値)。

結局価格と性能の相談になりますが、基本QLC品以外はどれを選んでも何か初心者の方に困難を呼ぶような製品はありませんので、あまりこだわらず安く済ませるのもよし、ちょっと奮発するもよし、といった感じです。

HDDに関しては、SSDの単価が高かった頃の名残で、時折SSD+HDDの組み合わせで構成を考えていらっしゃる初心者の方がいらっしゃいますが、SSD単価が下がった現在では、ストレージとしての信頼度からデータのバックアップに使用する以外の用途はあまりありません

バックアップであれば外付けのHDDで十分なのと、内蔵すると現在のケースだとあまり共振のことを考慮している設計のものがありませんので、いわゆるビビり音が発生してしまう可能性が高いので、積極的にはお勧めしません。

それと、ここまでこだわる必要はあまりありませんが……最近はCMR品ではなくSMR品という、言ってみれば安く済ませる代わりに少しだけストレージの信頼度を落とした設計のものが普通になってきており、CMRはほぼサーバーグレード品に限られてしまっている状態なので、CMRにこだわる場合にはバックアップとしての容量単位当たりの価格がそれほど安く上がらないこともあります。

まあこれはそれほど重要ではありませんが。。

 

電源

一言で言えば、沼。これも推奨級にて書きましたが、最近販売されている電源は、よほどのことがない限り爆発したり漏電したりするなどは起こらないですし、割と長く持ちますので、こだわりがないのであれば玄人志向でも十分だと思います。

基本的に初心者の方が気にすべきは、電源の品質というよりは①電源自体の大きさと、②ケースにどのような電源が対応しているのか、というほぼ二点です。80PLUSは最低BRONZE以上のものを選んでおけばどれでも大丈夫です。

(というかBRONZE以下の製品を探すほうが最近は難しいです。)

①については横幅と高さはほぼ基準が固まっているので、奥行き方向の長さのみを見ていれば大丈夫です。

後述のケースの項目でも言いますが、基本的に初心者の方は大きなケースを使用したほうが良いと私は思っていますが、少し小さめのケースを使用する場合、電源の奥の空間が狭いと特に配線関係で苦労する場合があるので、電源は奥行きがなるべくなら小さなものが良いです。

②については、前者のケースの大きさで述べた通り、大きなケースを選べばほとんどの場合、ATX電源というものを購入すれば事足りますが、稀にSFX電源という一回り小さな電源を付けることが要求される場合もあるので、一応チェックしておくべきところです。

それ以上のことを気にしようとすると……なるほどわからんの世界に突入します。。

なるほどわからんの世界とは、と書き始めたら記事が倍になったので書くのはやめにしておきました……。

個人的なお勧めは、少し値が張りますがSuperflowerのLEADEX Vシリーズ(容量は使用するCPUとGPUに合わせてください)。

何がオススメかというと、上記の奥行きが非常に短く、また+12Vの安定性やノイズの極端な少なさなど、現状の電源の決定版みたいな製品であるところ。不安があるとすれば、奥行きが狭いのでファンが小さく、高付加時の熱処理の不足が将来的に何かしら影響するかも、というところです。しかしこればかりは長く使用してみないことにはわかりません。

ただ上記のように少し値が張りますので、ほとんどの場合AntecのNeoEcoGOLDシリーズ買っておけば間違いはないです。白い電源が欲しい場合にはCorsairのRMシリーズに白電源バージョンありますのでそちらをどうぞ。

低出力帯ならFractal DesignのIONシリーズが安くてケーブルの取り回しもいいのでお勧め。

まあでも、NZXTの電源もいいものですし、DeepCoolもそこそこ安定していると思います、紫蘇電源は(ケーブルを除けば)もちろんのこと、その他の製品もよいところが多いと思いますので、本当にどれでもいいと思います。

ケース

➐の電源の項目でも言いましたが、初心者の方はなるべくなら大きなケースを購入して、配線の苦労を少しでも減らしたほうが良いと考えています。

特に今後とも自作を趣味にしていこうと考えていらっしゃるのであれば、ATXサイズ以上のケースを選んで、配線の基本を身に着けたほうがいいと思います。

基本がなければ応用もない、というのはどこの分野でも同じですね。

ケースは日本国内にあるものよりも海外の方が種類も形も豊富なイメージですが、ただ、初心者の方に向けてのオススメとなるとその点特に考える必要がないので、国内に流通しているものの中から選べばいいと思います。

個人的にはAntecのP82 Flow V2あるいはANTEC P10 FLUXが初心者の方にお勧めとなります。ただファンコントローラーは外し、ファンコネクタはマザーボードに接続した方がいいと思います。

何がいいかというと、二つとも付属するファンが多く、冷却面での不安がほとんどないという点が挙げられます。

特にP82はフロントに140mm×3という非常に珍しい構成となっているので、よほどのことがない限り(見た目にこだわるのでない限り)ファンの追加購入は必要ないですし、ケースファン込みで考えてもお値段が非常に安く済みます。

他のケースと比べて少しだけ裏配線の処理に癖がありますが、組みにくいわけではなさそうなので、特に支障が出ることはないはずです。

欠点というか、不足がある点としては、昨今当たり前になってきたケースのフロントのコネクタ部分にUSB Type-Cがない点と、上述しましたが、デフォルトだと(今時珍しい)ケースのファンコントローラ―にファンが接続されている点でしょうか。

これ以外では、Corsairの4000Dなんかも個人的には好みですが、ケースファンの追加購入も含めてお値段が高くなってしまうのが気になります。

予算があれば4000Dに加えて、定番のFractal DesignのDefine7もよいですが、ちょっと大きすぎる点が組みにくさにつながってしまうところもあるので、次点といったところ。個人的にはDefine7 Compactが好きで愛用しているのですが、こっちはちょっと小さすぎてケーブルマネジメントが若干難しいです。

 

ケースファン

こちらに関しては、見た目にこだわりがない限りは光らないファンを選んだほうがよいと思います。

というのも、光るファンを選んだ場合、最近はアドレサブルRGB、つまりソフトによって光り方を制御することのできるものが多いのですが、それらの制御ソフトが競合しがちだからです。特にNZXTやCorsairは独自のソフトによる制御となっていて、通常使用するマザーボードメーカーのソフトと一緒に使わなければならない可能性が出てきます。

光り方自体は性能とほとんど何ら関係もなく、また挙動にも関係ないので、余計な気苦労などを抱え込まないようにするためには、こだわりがないのであれば光らないファンがよいと思います。

最近はファンも静音性を含めて割と高性能なもの、コスパの良い廉価なものが揃ってきていますので、どれを選んでもよいと思います。

したがいまして、特に私として初心者の方にお勧めというものはありません

その代わり私が現在手元に置いておいたり購入している光らないファンを以下に列挙してみます。これ以外にももちろんたくさん良い製品がありますので、色などお好みで選んでみてくださればと思います。

サイズ KAZE FLEX 120 WHITE PWM 1200RPM|Deepcool GAMER STORM TF120 S WHITE|ADATA XPG VENTO PRO 120 PWM|サーマルライト TL-B12-W|Arctic P14 pwm pst white

私の場合はケースに合わせて白系が多く、また120mmファンが中心ですが、ぱっと見特に140mmファンで光らないもので高性能というとあまり種類がない感じなので、候補としてはアークティックのこれか、サーマルテイクのTOUGHFAN14ぐらいになるかと。

 

以上、過去最長ですが、何かしらお役に立てるものとなっていれば幸いです。

私見が混ざっている部分もあるはずなので、ご異存のある方もいらっしゃるかと思いますが、これをきっかけによくよくご自身でお調べになられるのがいちばんだと思います。どうかご自身で納得のいかれるまでお調べになりお悩みになったうえで各パーツをご購入なされれば幸いです。


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